株式低額譲受けを巡る事件<令和3年(行コ)第281号、東京高裁令和3年10月29日判決>:
2022/06/20
1.法人間の株式譲渡に係る対価の額と適正な価額との差額が
「受贈益の額」に該当するか否かを巡り争われた事件。
2.東京高裁の解釈:
法人税法上、「無償による資産の譲受け」収益の発生原因になるものと
規定されているが(法法22②)、「資産の低額譲受け」の規定は
定められていないとした上で、「資産の低額譲受けの場合であっても、
譲受けの時点で当該資産の適正な価額相当額の経済的価値の実現が認め
られることは無償譲受けの場合と同様であるから、この経済的価値
を収益として認識すべきものと解される。そして、たまたまそのうちの
一部のみについて対価が現実に支出されたからといって対価の額と
適正な価額との差額部分の収益が認識されないものとすれば、
無償譲受けの場合との間の公平を欠くことになるから、
その趣旨からして、この場合に益金の額に算入すべき収益の額は、
当該資産の譲受けの対価の額と同資産の譲受時における適正な価額
との差額である」との解釈を示した。
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