インボイス制度を契機とした取引条件の見直し等の影響:
2022/02/3
1.下請法等の考え方:
〇下請代金の減額として、下請法違反の事例(下請法4①三)
報酬総額11万円で契約を行った。取引完了後、インボイス発行事業者でなかったことが、請求段階で判明したため、下請事業者が提出してきた請求書に記載された金額にかかわらず、消費税相当額の1万円の一部又は全部を支払わないことにした。
〇買いたたきとして、下請法違反のおそれ(下請法4①五)
継続的に取引関係のある下請事業者と、免税事業者であることを前提に単価10万円で発注を行った。その後、今後の取引があることを踏まえ、下請事業者に課税転換を求めた。結果、下請事業者が課税事業者となったにもかかわらず、その後の価格交渉に応じず、一方的に単価を据え置くこととした。
2.独占禁止法・下請法等の問題になる(なり得る)行為例:
〇買手の要請に応じて仕入先が免税事業者から課税事業者となった場合で、仕入先が納税義務を負うこととなる消費税分を勘案した取引価格の交渉が形式的なものにすぎず、著しく低い取引価格を設定した場合
〇仕入先の責めに帰すべき理由がない(仕入先が免税事業者であることは当該理由に該当しない)のに、発注時に定めた下請金額の額を減じた場合
〇免税事業者である仕入先に対し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような下請代金など、通常支払われる対価に比べ著しく低い下請代金の額を不当に定めた場合
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